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撮影/紀室裕哉(令和3年1月21日)
地域の名松 すっきりと
長谷寺のアカマツ 毎年恒例のせん定作業
大船渡市猪川町の龍福山・長谷寺(兼務住職・宮城隆照長圓寺住職)で26、27の両日、境内に植えられているアカマツのせん定作業が行われた。すっきりとしたたたずまいとなった歴史ある〝名松〟を見上げた総代らが、来年の幸福を願った。
このアカマツは、200年以上前に植えられた巨樹。田村長平総代長(85)によると、同寺の境内はかつて大きな池があり、マツはその池に浮かぶ島に植えられていた。ハスの群生が水辺を彩り、周囲には石畳が整備され、荘厳な景色が広がっていたが、戦時中の昭和17年ごろ、託児所をつくるために池は埋め立てられ、マツだけが残されたという。
以降、毎年この時期に業者を依頼してせん定を行っており、今年は造園なども手がける大船渡町の豊島建設㈱(紀室裕哉代表取締役)が作業を担当。27日も朝から作業が行われ、見守った田村総代長は「こうして〝化粧直し〟をしても、昔の面影は変わらず残っている」と目を細めた。
檀家を持たない祈願寺として、住職をはじめ、総代、地域住民らが中心となって寺の文化財や環境を守っている同寺。田村総代長は「地域の援護があって環境が保たれている。これからも愛郷心を胸に、地域の宝を未来に引き継いでいくため、みんなで協力しながら歴史あるこの寺を守っていきたい」と話していた。
(令和4年12月28日朝刊 東海新報掲載)