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  • 撮影/紀室裕哉(令和3年1月21日)

優秀施工者として知事表彰

家族と同僚の支えに感謝

豊島建設㈱ の渡邉さん 優秀施工者として知事表彰

大船渡市大船渡町の豊島建設㈱(紀室裕哉代表取締役)に勤める渡邉祐司さん(50)=同町=が、優秀建設施工者県知事表彰を受け、今月17日に盛岡市のプラザおでってで開かれた令和7年度建設産業構造改善推進県大会の席上で表彰された。入社から32年間、〝建設業一筋〟でさまざまな現場をこなしてきた成果が認められ、「家族や同僚の方々に支えられたおかげで続けてこられた。長年頑張ってきて良かった」と感謝した。
表彰は、優れた技能、技術を持って生産活動の中心的役割を担う人の業界への貢献をたたえるもの。

現在、同社土木部で主任を務めている渡邉さんは、平成5年に入社。陸前高田市の揚水機場の施工に現場の管理者として臨んだほか、住田町世田米の「昭和橋」の架け替え工事にも携わる。
同社は東日本大震災時、本社が津波にのまれ、猪川町に構えていた資材倉庫を仮事務所として利用。がれき撤去をはじめとした復旧工事を行った。震災前まで線路の整備を行っていた渡邉さんは、津波で浸水したレールや枕木を撤去する作業に従事。ねじれた線路を取り壊す際には、ねじれの解消とその反動によって危険が生じる場面も多かったといい、渡邉さんは「これまで自分たちで整備してきた線路を、自分たちの手で撤去しなければいけなくなり、悔しいような、複雑な心境だったのを覚えている。危ない仕事でもあったし、最も印象に残っている」と振り返った。

業務に臨むにあたっては地域とのつながりを重視。現場周辺の住民と信頼関係を築くことを常に意識し、「地域に喜ばれる仕事を」といった思いでスムーズな作業進行を心がけているという。「自分一人で抱え込まない」ことも大切にし、ともに現場作業に携わる人と考えを共有しているほか、時には経験豊富な先輩社員の知恵を借りるなどしながら、正確な施工を目指してきた。

「まずは、大きな事故を起こさないよう、常に気を緩めずに続けていくこと」と渡邉さん。「若手にはどんどん参入してもらいたい。技術の進歩によって作業内容も昔とは変わっているし、また新しいイメージを持ってもらえるのではないかと思う。興味を持つ人が増えてくれたらうれしい」と、業界の発展も願う。

(令和7年6月27日東海新報掲載)