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  • 撮影/紀室裕哉(令和3年1月21日)

業界発展への尽力に光「国土交通大臣表彰受賞」

豊島建設の紀室代表

国土交通大臣表彰受ける

大船渡

大船渡市大船渡町の建設業・豊島建設㈱の紀室裕哉代表取締役(64)が、令和6年度の国土交通大臣表彰を受けた。長年にわたり建設業に精励するとともに、関係団体の役員として地方業界の発展に大きく寄与したことが評価されての表彰となった。

同表彰は、建設事業関係の功労者や優良団体に対するもので、本年度は235人と3団体が表彰を受けた。 紀室代表は、建設、土木、造園などの工事を幅広く手がける同社をけん引するほか、関係団体の役員としても尽力。県建設業協会では副会長を務め、今年で2期目(3年目)となる。

多岐にわたる活動の中でも、特に印象深く、力を入れてきたのは、平成23年3月11日に発生した東日本大震災とその後の復興活動。 本社が津波にのまれる光景を目の当たりにし、先の不安と絶望感にさいなまれた。猪川町に構えていた資材倉庫を仮設事務所として利用し、復旧・復興作業を開始。がれき撤去をはじめとした復旧工事を請け負った。

紀室代表が「一番の転機」と捉えるのは、県建設業協会大船渡支部長を務めていた金野健さんの他界だ。平成26年5月20日、震災復興を推し進めている真っただ中の出来事だった。その数日後、紀室代表は支部緊急理事会、本部総会を経て同支部長に就任。金野さんの遺志を継いで、復興に向けて活動を続けた。 「家族や従業員、業界関係者、地域の支えがあったことに感謝する。今回の受賞は、出会いに恵まれた結果だと受け止めている」と受賞に至った経緯を振り返る。

今後については、国道107号の整備促進、国際リニアコライダーの実現に向けた動き、後継者の発掘・育成に期待を込める。このうち、国道107号の整備促進については「大船渡は観光資源が豊富であるにもかかわらず、交通の便が悪い。せっかく良いものがあるのに、このままでは取り残されてしまう。早急に手を打つ必要がある」と見据え、「課題は山のようにあるが、受賞したからといって気負うことがないようにしたい。今まで通り、地域とともに歩んでいきたい」と決意も新ただ。

(令和6年7月14日朝刊 東海新報掲載)